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2018.11.19

薬の使い方、抗菌剤について

 冬になると感冒、インフルエンザや肺炎などの呼吸器感染症など色々な感染症が出て来ます。日本ではこれまで感冒でも「念のため処方」や「ほしい処方」で抗菌剤が処方されることがありました。しかし、ここにきて世界は抗菌剤を正しく使用することを徹底しようとしています。それは何故でしょう?

 薬は医師から症状に応じて処方されます。高血圧症なら降圧剤。糖尿病なら血糖降下剤。インフルエンザは抗ウィルス剤。さて、感冒には何を処方するでしょうか?抗菌剤?ブー!答はバツです。感冒はウィルス性疾患ですから抗菌剤は効きません。痰や鼻水、血液、尿や膿などを培養して菌が出た時に初めて使用します。体温が高い時には解熱剤、痛い時には鎮痛剤、咳がひどい時には鎮咳剤、痰が気道にからむ時は去痰剤、鼻閉の時は?鼻うがい、というように抗菌剤は処方しないことになります。これまでは出ていたのにという方が居られると思いますが抗菌剤は使い方を誤ると必要な時に効かなくなってしまいす。ペニシリンに始まりバンコマイシンまで数世代の抗菌剤が開発されてきました。それは感染症治療の範囲を広げることになりましたが、それはまた菌が抗菌剤に対して耐性を獲得し、"進化"して効かなくなって来た歴史でもあります。
 欧米では"感冒"の診断では薬は処方されません。家で辛抱してゆっくり休むのが"治療"だそうです。私たちもそういったエビデンス、科学的根拠に基づいた生活を取り入る必要があります。

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